インド南東部から東南アジアにかけて熱帯に広く分布するマメ科の樹木。生育に非常に時間がかかる上、乱伐のため数が少なくなっている。その香りには虫を寄せ付けない効果があると言われ、中国では14世紀ごろから家具の材料として珍重された。日本にも「唐木」の名で輸入されている。空気に触れると鉄分が酸化し、黒くなってくるのが特徴。 一般に「紅木」とは、マメ科の硬質木材の総称。花梨・紫檀(ローズウッド)・本紫檀(老紅木)・紅木、以上4種をすべてを包含して「紅木」と言う。特に三味線において「紅木」という場合はインド産レッドサンダーのことを指す。現在は原木での輸入が禁止されており、現地で棹材として加工された後輸入されている。 レッドサンダーは非常に硬く重量があり、楽器の素材としては最適である。非常に高価だが、高ければ良いというものではない。かつて家具素材として用いられていた頃の工芸的価値観がそのまま三味線に敷衍されている感があり、楽器素材としての価値観はさほど重視されていないように思われる。奏者としては、模様や色などの工芸的価値に目を奪われず、音質を第一によくよく品を見定める必要があるだろう。
【花梨】 →関連事項 【紫檀】 →関連事項 【棹】 →関連事項 |