津軽三味線の競技大会。会場が日比谷公会堂であることから、「日比谷大会」とも呼ばれる。毎年4月、第一週の日曜日に開催。主催は日本民謡協会。審査員は05年で9名、いずれも「超」がつく程の大御所の先生方で占められており、主催が持つ権威とあいまって、最大目標とする奏者も多いようだ。 歴代の優勝者には、吉田健一(吉田兄弟)、福居一大(福居姉弟)、新田昌弘(新田親子)、高橋孝(二代目藤田淳一)、柴田雅人(史上初の四大会制覇)、椿正範、阿部金三郎(共に浅草追分所属)らが名を連ねており、その活躍には目を見張るものがある。また準優勝者からも、西元、吉田良一郎、福居典美、ア裕士らのトップ奏者を生み出しており、大会のレベルの高さが伺われる。 審査は採点で行われ、集計結果がそのまま賞に反映されるらしいが、詳細は未公表。よりフェアな大会にし、かつ出場者の励みとするためにも、採点結果の公表が望まれるところだ。 傾向としては、まず確実な基礎技術が求められる。その上で、しっかりと古典に立脚した演奏が好まれるようだ。あまりに斬新な手や洋楽的フレーズ、凝りすぎた楽曲は好まれない。演奏曲は「じょんがら節」と決まっているので、他の五大民謡は演奏できない。演奏時間は全員2分30秒。この縛りの中で、どのようにして自分を表現するかが勝負所だろう。 現在、一般の部は出場者数80名の制限がかかっており、申込書類提出と同時に、自分の演奏を録音したMDまたはテープを郵送する必要がある。05年はおよそ200名の応募があったということで、これは出場するだけでもかなり狭き門。C級やB級といったクラス制限はない。 様々な課題は残されているようだが、ともあれ、審査員の質や主催の知名度から言っても、今後はこの大会が中心になってゆくと思われる。
【大会】 →関連事項 |