邦楽ジャーナル社から出版されている、和太鼓と津軽三味線の月刊誌。０４年７月創刊。「バチバチ」と読む。大手の取次を経由していないため、一部大型書店のみでの取り扱いとなっている。
「邦楽ジャーナル」誌上で津軽三味線と和太鼓だけがヒートアップしていたことから、創刊当初はかなりの期待が寄せられていたようだ。しかし現在のところ、２５ページほどの冊子のうち、広告がおよそ３０％、アマチュア含むライヴ告知がおよそ２０％を占めており、コアとなる連載やインタビューはわずかに５〜６ページほどしかない。
また購読者層が絞り切れていないのも残念。インタビュー記事や対談等、大御所の先生方や若手有名奏者たちの記事は非常に興味深いのだが、さすがに初心者には難しい。一方では「教えてバチバチ君」など明らかに初心者向けの記事もあり、初心者・玄人どちらにしても、全体としては物足りない印象を受ける。
また、CDレビューは非常に大雑把で、深く切り込むような批評が出てこない。筆者の知識が浅いばかりでなく、買い手となる諸流派に配慮した結果だろうが、これではさすがに誰も納得しないだろう。津軽三味線や和太鼓を専門とするライターがいないことも一因だろうが、創刊以来ライターを育てたり発掘したりという努力もあまり見られず、多くの人には期待はずれの状態だろう。
ともあれ、業界唯一の情報誌であり、担うべき役割は大きいはず。津軽三味線人口を増やすためにも、また大御所たちの言葉を後世に残していくためにも、もっと頑張ってもらいたいところだ。 |
