≡津軽三味線用語大辞典≡
【よ】3

【よされ節】 よされぶし
 東北地方、主に南部・津軽地方で唄われる民謡。特に津軽地方においては「津軽よされ節」として、津軽五ツ物(五大民謡)および津軽三ツ物(三大民謡)のひとつに数えられている。
 元は上方の流行歌で、「よしゃれおかしゃれその手は食わぬ、その手食うよな野暮じゃない」との歌詞が唄われていた。この歌詞より「よしやれ」(古語で『やめなさい』の意)が残って「よしゃれ」→「よされ」に変化したのが津軽よされ節の語源である。一般に流布する俗説「辛い世は去れ」は、長部日出雄氏の直木賞受賞作「津軽世去れ節」に由来するもので、マジに信じてはいけない。
 ともあれ、よしゃれ節は東北各地でその地域名を冠して流行するに至る。南部では「南部よしゃれ節」、黒石では「黒石よされ節」として唄い継がれ、津軽において土着の盆踊り唄と融合し「津軽よされ節」となった。
 津軽よされ節には大別して新節・旧節のふたつがある。旧節は七五調の短い詩形が特徴で、「南部よしゃれ」「黒石よされ」に近い。一方で新節は七五調に囚わない長い歌詞を持つ。これは大正初期、黒川桃太郎が新内節を採り入れて創作したものと言われ、当初「新内入り」と呼ばれた亜流であった。新節が主流となった現在でも、歌い始めはほとんど「調子変わりのよされ節」となっているのはこのためである。
 津軽よされ節は、津軽じょんがら節に次ぐ津軽民謡の代表格とされ、好んで唄う歌手、好んで演奏する三味線奏者も数多い。1996年、弘前の津軽三味線全国大会A級で上妻宏光が連覇を果たした際の演奏曲は、この津軽よされ節であった。その後、じょんがら節以外の曲で優勝を果たした者は出ていない。

【三ツ物】 →関連事項
【五ツ物】 →関連事項
No.5 by りょう メール
2005/01/08 [Sat] 02:35
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【四ツ皮】 よつがわ
 猫の皮のこと。細棹・中棹の三味線に用いる。

【皮】 →関連事項
No.17 by りょう メール
2005/01/08 [Sat] 21:40
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【四枚撥】 よんまいばち
 一拍の間で撥を4連打するスーパーテクニックで、三枚撥の発展形。正確に言うと8分4連で、3番目のの8分音符が2拍目の頭にくるように叩く。かつて、上妻宏光が弘前の大会を連覇した「津軽よされ節」でこの技を使っていた。
 非常に難しい技だが、それ以前に使いどころが少ないためあまり使われていないのが実際。どうしても必要な技ではないし、まして唄の中で使えるものでもない。曲弾きで使おうにも効果的な使い方ができなければ意味がないわけで、やはり腕だけでなく古典的センスにも精通しなければ修得する意味がないだろう。

【三枚撥】 →関連事項
No.114 by りょう メール
2005/02/02 [Wed] 02:23
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