胴の最下端に取り付け、糸を結びつける元となる部分。通常は絹製(安い物はナイロン製)の手組紐。「根緒」とも「音織」とも書くが、いずれも当て字であろう。 三味線により、「長唄用」(細棹用)、「地唄用」(中棹用)、「津軽用」(太棹用)の三種類がある。本来、津軽三味線奏者ならば「津軽用」を買うのが筋だが、敢えて避け、地唄用を使う人が多い。津軽用はやたらと大きい上に伸びやすい。一方で、地唄用はもともと小さいため伸びにくく、丈夫なのである。 しかし、「丈夫」とは言っても所詮はただの紐。使い始めはものすごく伸びるし、使い込んでいってもまだ伸びる。その上、湿度や温度に敏感。使い込んだ音緒でも、ステージに上がれば、いくらでも伸び縮みしちゃう。これで正確な音程を保つことは難しい。もっと合理的な「伸びない音緒」はできないものだろうか。ブランドでは、九州で作っている『聖城』が有名。 |