テクノから分岐した音楽の新ジャンル。高速で激しく揺れる単調なリズムにより催眠効果を生む事から「トランス」と名付けられた。基本的にはダンスミュージックであり、主にクラブシーンで演奏される。歴史的にはサイケデリックの流れを汲み、ヒッピー的要素が強い。ヘヴィなリスナーは、やはり何故か自然を愛し、ガンジャを愛し、大麻の価値を切々と説き、自由を謳い、オーガニック信仰どっぷりな傾向にある。そういう意味においても、本来はどちらかと言えばアンダーグラウンドなジャンルなのだが、エイベックス等有名レーベルやアーティストの活動もあり、現在ではユーロビートに代わり、ヒップホップに並ぶダンスミュージックとしての地位を占めている。 音楽的には、単一コードによるリフレインが軸になる。音数が多くテンポも速いため、津軽三味線奏者が比較的対応しやすいと言える。そもそもがサイケデリックの流れを汲む音楽なので、様々な民族音楽と結合・融合して発展することも多いため、トランスの側からも和楽器の参加が歓迎される傾向にある。三味線に限って言えば、演奏に当たり格別の知識・技術も必要なく、要するにじょんから節をリズムに合わせて弾いていればそれで良いので、数多くの演奏家がトランスにチャレンジしている。 しかし、ほとんどの津軽三味線奏者はクラブ文化に触れておらず、トランスを甚だしく勘違いしている場合も多い。 かつて、民謡は若者に媚びを売り、「ジーパン民謡」「ロック民謡」など、最新流行を採り入れるべく腐心した。腐心しながらも、いずれも本質を突くまでには至らず、きわめて浅いアプローチで終始している。結局のところ、80年代の「ロック」が「トランス」に置き換わっただけで、三味線奏者が自らのコンプレックスを克服していない証左だろう。逆に言えば、民謡関係者から最も遠い位置にある、「カッコいい若者の音楽」こそがトランスなのである。 ロック民謡については、「ロック」の項を参照。
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